こどもの知的能力を高めるために

『全米トップ校が親に教える57のこと』 (星友啓著 SB新書)には、タイトルへのひとつの回答として

さまざまな体験を通して心と体の能力も伸ばしていくことが、脳を効率良く成長させるベストなサポートであり、結果的に成績アップの近道にもなるのです

と書かれています。

人間は全身に対して脳の比率が最も大きい動物だと言われています。これは、社会性に関する能力が強く関係しているからです。人間の脳が発達して大きくなったのは、みんなと仲良くうまくやるためです。因みにこれは「社会脳仮説」と呼ばれています。

一例として、サルは一緒に行動する群れが大きければ大きいほど、身体に対する脳の新皮質の比率が大きいようです。

こどもたちの社会的・感情的な認識やそのコントロールをサポートすることで、こどもの心の健康が改善され、学力も高まります。つまり、社会性や感情の能力が脳のメカニズムの中心にあり、これらの能力をサポートすることでこどもの知的能力が高まります。

学力や成績の向上を図るために「勉強」を中心にしたアプローチだけではなく、脳の「多様な」機能の発達を促しそれらがうまくつながっている状態を目指すことが大切なことです。「多様な」とは、友達と笑ったり泣いたり、成功や挫折を経験したり、運動やアート、異文化を楽しむことなどです。

「こころ」「身体」「知的能力」を関連付けながらこどもの成長をサポートすることが私たちの重要な役割であると考えています。