「楽器の演奏」は英語と理数系科目の成績を上げる研究

このほどカナダのブリティッシュコロンビア大学が実施した大規模調査で、楽器の演奏をたしなむ高校生は、音楽をやらない学生と比べて数学・科学・英語の成績が有意に高いという結果が出ました。これは音楽が発達中の脳に与えるよい影響をうかがわせると同時に、学校教育の一環として音楽を取り入れる重要性を再認識させるものです。

子どものころから楽器を演奏してきた人たちなら、数学や英文法のパターンを見出すのが得意だと気づいたことがあるかもしれない。また、外国語の発音やリズムを真似るのが上手な人たちも多いことでしょう。

これまで音楽が脳にもたらす影響を調べた多くの研究では、長年の音楽への関与──特に楽器の演奏が、認知力や脳の実行機能(Executive functions)を向上させることが明らかになっている。

<引用>WIRED『「楽器の演奏」が、英語と理数系科目の成績を上げる:研究結果

下の図は、澤口俊之先生と当社が『脳力道場』を発売した際に用いていたものです。大きく区分すると脳にはそれぞれ担っている役割があります。上記の「実行機能」とは下の図の前頭前野の機能の一つです。


こうして見ると、学校の教科はよくできていると感心してしまいます。脳が担う役割に応じた教科になっているからです。

先に引用した記事については、いうまでもなく、楽器の演奏を取り入れることが学習成果に直結するというものではありません。脳が著しく成長するこどもには脳を多面的に使い、脳の発達をサポートする大人の取り組みこそが大切だと考えます。

<参照>「Journal of Educational Psychology