教科書に書かれていることを正確に読み解く

読解力の向上を重視した授業が全国各地で展開されています。

福島県の小学校では、リーディングスキルチェックテストの結果を分析して、授業に役立てています。リーディングスキルチェックテスト(RST)は、国立情報学研究所の新井紀子教授が独自に開発したテストです。教科書や新聞記事などを題材に基礎的な読解力を測るものです。

この福島県の小学校では、児童が教科書の文章やグラフなどの意味を考え、文章を見て速く書き写す視写への取り組みにより、全国学力テストで公立小学校の平均を上回るようになりました。

さて、リーディングスキルチェックテストでは、どのような問題が出題されているのでしょうか。ここに一例をご紹介します。

【問】3つの文字a , b , c を用いた文字列で、次の(1)と(2)を満たすものを考えます。
(1)最初の文字は a である
(2)同じ文字が2つ以上続くことはない

【選択肢】
① a b c b a
② a b b c a
③ b c a c b
④ a b c d e

いかがでしょうか。

正解は①です。各条件を記憶に止めながら、選択肢から答えを探すという点ではワーキングメモリの処理を行っているといえます。正確に情報を読み取ることは全ての教科の学力向上につながります。

教科書に書かれていることを徹底して正確に読み取る練習に取り組み、学習の基礎を固めていくことこそが大切なことなのです。

<引用・参照>2023年12月14日読売新聞朝刊「くらし 教育」『リーディングスキル 実践例公開』