読み聞かせの頻度と共有

ベネッセ教育総合研究所のレポート『幼児期から中学生の家庭教育調査縦断調査ダイジェスト版』には、幼児期の読み聞かせに関する追跡調査の結果がまとめられています。

読み聞かせの「頻度」については、幼児期での保護者子の読み聞かせの頻度が高いほど下記の3点に影響があることが分かりました。
・小学校低学年の時期のこどもの「ひとり読みの頻度が高くなること
・小学校高学年での「ひとり読み」の頻度が高くなること
・中学1年時での「言葉スキル」や「論理性」を獲得すること

また、読み聞かせの「時間」が「読書体験を共有する時間」や「中1年時での言語発達」に影響を及ぼしているかを調べたところ、以下のことが分かりました。
・幼児期の読み聞かせの際に、内容について質問したりこどもの質問に答えたりするという双方向のやり取りに時間をかけているほど、
小学校低学年の時期に保護者子で本の内容について話し合ったり、感想を述べあったりするという「読書体験を共有する」ことが多いこと
・それが小学校高学年でのひとり読みの頻度につながっていること

このように、児童期に培われた読書行動は中学1年時での「言葉スキル」や「論理性」を支えているといえます。

私たちが開講している講座内や教材制作の際に大切にしている「耳からの音声情報の処理」という脳科学の視点も加味しますと、幼児期の「読み聞かせ」が将来的にも有効であることが分かります。また、以前に公開した教育コラム『読み聞かせにやり取りを』も併せてお読みいただくことで、ベネッセ教育総研様のレポートへの理解がより深まることと思います。