「何もしない」時間も大切に

大人もこどもも日々を慌ただしく過ごす一方で、リラックスどころかさらなる刺激を求めて過ごしているような感覚に陥ることがあります。

例えば、ひとりで没頭できる時間を過ごそうと横になってスマホを見るとそこには多くの情報が溢れており、情報を追っているうちに仕事のことが頭を駆け巡り、結局リラックスしているのかわからなくなったという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

一方、シャワーを浴びている時や何も見ずにボーっとしている時など、心身がリラックスしている時にふと良いアイデアが浮かんだりすることがあります。

これは「リラックスした状態で活動する脳のネットワーク」の一つである「デフォルトモードネットワーク」と呼ばれています。「何もしていない時に働く脳のネットワーク」です。リラックスしている時にはこのデフォルトモードネットワークが活性化して、情報の整理などを行っています。

何もしないリラックスした状態は、実はとても大事な時間であることがおわかりいただけると思います。

こどもがぼーっとしているのを見かけると、ついつい何かをさせようと追加の行動を促したり情報を与えるなど、こどもがリラックスできないように働きかけてしまっていることもあるのではないでしょうか。これはデフォルトモードネットワークが活動しない時間を増やしていると言い換えることができます。

部屋の天井や野外で空を見て仰向けになりボーっとする時間は実はかけがえのない時間です。これから本格的な夏を迎えるにあたり、野外でこうした時間を持つように働きかけて様々なことに思いをはせるというのは幸福感にもつながるのではないでしょうか。