対話型AIと「主体性」

ジェネレーティブ(生成)AI・対話型AIの進化により、驚くべきサービスが続々と登場しています。

「ジェネレーティブAI」とは、「コンテンツやモノについてデータから学習し、それを使用して創造的かつ現実的な、まったく新しいアウトプットを生み出す機械学習手法」と定義されています。
(※2022年「戦略的テクノロジーのトップ・トレンド」にて米国Gartner社が定義)

話題の対話型AI「Chat GPT」を使うと、相当に高度な検索力、提案力、コミュニケーション能力を兼ね備えた仲間が増えたような印象を抱いてしまいます。

生成AIを業務や教育現場で利用するか否かは企業や各学校ごとの判断によりますが、このような技術の進化によって「人間にできること」を再定義して、今後は社会人・学生はいままで以上に「主体的な取り組み」が求められることでしょう。

生成AIが導きだす解は完璧なものではありませんが、私たち人間にできることは、課題を発見し、より良い解を導くための「主体性」です。

こどもの教育現場(学習指導要領)では、「主体的・対話的で深い学びの実現」が謳われており、授業や入試等において従来型の学習とは異なる取り組みが始まっています。

さて、思考、感情、創造性を司る脳の部位に前頭前皮質*があります。この部位に局地的にはたらきかけることが主体性を育むというわけではありませんが、しかし、(創造的な)思考を司るこの部位の重要性は「主体性」を育むにあたり増していくことでしょう。
(*前頭前皮質とは、前頭葉、前頭前野、前頭連合野とも呼ばれ、人のおでこの裏から頭頂部にかけてある大きな部位です)

「主体性」を育む職場や学習環境においてコミュニケーション等を通して生成AIと並走する姿勢が私たち一人ひとりに求められています。そして、これは脳とりわけワーキングメモリを使う研修のデザインや学習の機会を設けることがひとつの活路となるでしょう。

「主体性を育む脳」をひとつのキーワードとして、世代を問わず効率的に、より良い社会の実現に役立てたいものです。