頭のよさとは何か

和田秀樹氏と中野信子氏の著書「頭のよさとは何か」(プレジデント社)には、『「頭のよさ」を語るならワーキングメモリを広げることが大事』であると書かれた一節があります。

著書では、いろいろな人の多様な要素をワーキングメモリに乗せることで「認知的複雑性」を育む重要性が説かれており、ワーキングメモリを広げ、認知的複雑性を高くすることこそが「本当の脳トレ」になると語られています。

因みに、「認知的複雑性」については、同時にいくつかの見方をする人は思い込みや偏見が出る傾向が弱く「認知的複雑性の高い人」といい、物事を多面的に捉えられるので、考え方の違う相手のことも理解し、総合的な判断ができる、とされています。

一般に言われる「有名大学」を出たとしても、その後の学びが止まれば「賢い」とはいえません。こどもたちには学び続ける楽しさや「知の探索」を楽しむ基礎を身につけてほしいと思います。そのうえでも「ワーキングメモリ」はキーワードとなるでしょう。

具体的には、ディベートは多様な視点、考え方を知るきっかけとなるでしょう。また、和田秀樹氏は大人になっても「少なくとも昨日より賢くなろう」「一週間前より賢くなろう」と思い行動していることで、生きていて楽しく刺激的であると書いています。

テストの点数だけでなく、こどもなりの成長実感をノートにも脳にも書き記すことは知的にとても楽しいことです。

こどもの場合は好奇心をベースに興味や関心のある分野を学びの起点とすると良いでしょう。さらに、こどものワーキングメモリや「認知的複雑性」へのはたらきかけを周囲の大人が整えることまでを含めて「学習環境」と定義をしても良いのではないでしょうか。

こどものみならず人は「無限に伸びる可能性を持っている」という信念を持って環境づくりを楽しむ姿勢が問われていると思います。