集中学習と分散学習

テスト前に徹夜をして何とか乗り切った経験は誰しもが持っているでしょう。
ここで乗り切った経験により「わたしは間に合わせることができる(はずだ)」とテスト前の一夜漬けが習慣化するケースがあるようです。

しかし、私たちは薄々それが健全でないことを感じています。重要なのは計画性を伴う学習習慣を身につけることです。

一夜漬けを「集中学習」、毎日コツコツ勉強することを「分散学習」と呼びます。

今回は、これら2つの学習と記憶に関する調査をご紹介します。

集中学習タイプと分散学習タイプの2つのグループに分けて、単語の組み合わせを覚えるテストをするにあたり、集中学習タイプの生徒はテスト前日に一気に詰め込み、一方、分散学習タイプの生徒は前日とその前の日と2日間に分けて勉強しました。

すると、どちらの学習においてもテストの結果はほぼ変わらなかったのです。

しかし、次の日にもう一度抜き打ちテストを行ったところ、分散学習タイプの生徒の点数が上回る結果となりました。
これは、分散学習タイプの生徒の方が「忘れるスピードが遅かった」ということです。集中学習タイプの生徒は忘れるのも一気に生じるのです。

長期的な「実力」という点においては、毎日コツコツ勉強するほうが有利といえます。
因みに、記憶を司る脳の部位に「海馬」があります。海馬は、何度もアクセスしてくる情報を「重要な情報である」と認識して記憶をしますので、毎日コツコツ情報を海馬に届けることが大切です。

参照:「受験脳の作り方」(池谷裕二著 新潮文庫)