大人が知っておきたい「微細運動障害」

『取り戻せ!教育力』(向山洋一著)には、「教師が絶対に理解しておくべきこと」として、
『「できない子」のかなりの割合を発達障害の子どもが占めている事実』を挙げています。

個人差があることをことわったうえで、
ADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもたちに共通してみられる特徴として、
指先が不器用であること、いわゆる「微細運動障害」があり、
それは「軍手を二枚はめて物を扱う」感覚だと専門の医師が例えています。

多くの教師は、「軍手を二枚はめて物を扱う」感覚の子どもたちがいることに
気づくことなく授業を進めているため、約一割の子どもたちは、
授業への参加そのものができていないのです。

微細運動障害の子どもは、漢字の習得で苦労をします。
文字を書く時、親指と人さし指の先端が微妙に屈伸運動をするものですが、
微細運動障害の子どもはこの微妙な動きができないため、
枠の中に文字が入らず、はみ出ているのです。

「指書き」から覚えるように指導することで、
子どもは学習にスムースに取り組むことができるでしょう。

私たち大人がこうした子どもの事実を知り、学習のサポートをすることが必要だと思います。