121.「いいね」は可能性となる

「教育科学国語教育」2021年9月号に『書くことの環境づくり・授業づくり-「いいね」の数が、その子の可能性となる』と題した山本純人先生(埼玉県特別支援学校坂戸ろう学園)の記事があります。

話す・聞く・書く・読むの中で一番ハードルが高い「書く」行為において、子どもたちが書いて提出をすることだけでもまずは良いと捉えて、そこがスタート地点だと提唱しています。また、子どもたちが書くことにおいては「先生が環境」だと書かれており、子どもたちの目の前にいる先生次第で子どもたちの書くことの力は歴然と違うため、先生自身が書く訓練をすることも薦めておられます。

指導者の方へは、見逃されがちな「書いた後」の時間が不足しがちであることを示して、子どもが書いた内容に対して鮮度が落ちないうちに「good」を伝えることを薦めています。また、子どもたちの文章を読んで良かったなと感じたところがあれば、ところ構わず伝え「部分(文章の中の一点)についてgoodを伝える」「味わい(雰囲気)についてgoodを伝える」ことを実践されているようです。

誰かが自分の書いた文章について「いいね」をもらうことは書くことを全面的に支えてくれることにつながり、その数が多ければ多いほどその後の自信にも継続力にもつながる、と記されています。

大人が「いいね」を子どもに発することは双方の潤滑なコミュニケーションとなる大きな一歩になると思います。


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