278. 「資料読み取り問題」を考える④_2026年大学入学共通テストから
今回はシリーズ最終回です。「資料読み取り問題」を通して測られる力は、グローバル(PISA・IB・OECD等)な教育の流れに沿ったものです。世界中で共有されている教育の指針では、知識の習得のみならず、それを使って自ら行動を起こす「エージェンシー(主体性)」を核としています。そして、中核能力として次の4つの力が重要だとされています。
・Information Literacy(情報理解・活用)
・Reasoning / Thinking Skills(思考・推論)
・Problem Solving(課題解決)
・Transfer(新しい状況への応用)
「資料読み取り問題」は、これらを一度に測ることができる最短ルートであり、日本における「資料読み取り」を重視する傾向は、明確にグローバルな教育の流れに沿っています。しかも日本は「遅れて追随している」というより国際的な評価枠組みを国内の入試にかなり忠実に移植しており、「世界標準の知的基礎体力」を測る設計になっています。繰り返しになりますが、「知識をどれだけ持っているか」に加えて「知識・情報を使って考え、判断し、行動できるか」が問われる学びへと変化を遂げています。
未来は「予測不能」であり、正解は一つでない時代です。知識はすぐ古くなり、新しい情報に常に出会うという環境において「未知の情報をどう扱うか」が最重要能力となりました。これは日本のみならずグローバルな流れであり、子どもの学習においては「資料読み取り問題」にみられる学習モデルに収束しつつあります。日本での学習は正解・不正解に寄りがちであるという課題が今はまだありますが、教育の現場での試行錯誤により、環境が整うことでしょう。
社会に出る前の子どもたちが、「資料読み取り問題」等を通して、より良い世の中作りに役立つ力をつけていってほしいと願っています。
#教育コラム278

