276. 「資料読み取り問題」を考える②_2026年大学入学共通テストから

資料読み取り問題」を解くうえで、最低条件として図表や資料を「読む力」が必要です。具体的には以下に見られる変化関係性構造把握の力が求められます。

・グラフの増減
・表の数値関係
・地図・模式図の構造把握

関連のないデータに惑わされないことや「右肩上がり」「反比例」「急激な変化」などの傾向を瞬時に読み取る力が必要となります。

上記は最低条件と書きました。「資料読み取り問題」をさらに深堀りすると「情報統合」「構造把握」「目的適応」「推論」の各課題に対応する力が求められます。今回は「情報統合」と「構造把握」について解説します。

情報統合(マルチソース理解)」では、以下の力が問われます。

・複数の資料・図・文章を横断的につなぐ力
・資料Aと資料Bの関係を見抜けるか
・数値と文章の内容が整合しているか
・図の示す事実が文章の主張とどう関係するか

ここでは、複数の情報を同時に処理する力が問われています。一つのグラフだけでなく、複数の資料(例えば、統計グラフ、歴史的背景の文章、会話文)を組み合わせて正解を導く力です。また「グラフAの変化の理由は、資料Bの出来事にある」といった、それぞれの情報を関連付ける力点と点をつなげて線にする力が問われています。


次に「構造把握」では、以下の力が問われます。別の表現で言い換えると「抽象化・構造化する力」です。

・具体的なデータから本質的な構造を抜き出せるか
・何が変わっているのか
・何が共通で、何が違うのか
・因果関係はあるのか/相関なのか

これらは暗記型の学習だけでは対応できません。その理由は、問題が長文であり、初めて見る資料が多く、設問ごとに扱う情報が変わるからです。情報を読み取りながら回答するという処理過程に評価軸が置かれているため、知識をいくら持っていても、それがそのまま点数に結び付くことはないでしょう。

疑問を持って学ぶことや変化に気づく力などを日ごろから習慣的に身につけることが「資料読み取り問題」への対策となるでしょう。次回は「目的適応」「推論」について解説します。

#教育コラム276