264. 「読める」と「わかる」の壁②

今回は、読解のプロセスで起きている「つまずき」の4つの要因をご紹介します。

1つめは、文章を読み進める間に「前の情報」を保持、更新することができず、文章の内容が分断される「ワーキングメモリのオーバーフロー」です。

2つめは、語彙が少なく、キーワードが分からないことで推論の材料が不足し、文章全体の理解にたどり着かない「語彙・背景知識の不足」です。

3つめは、因果・対比・要点の抽出などの「フレーム」を十分に持っていないことで文章構造の理解が十分にできない「推論の型が弱いこと」です。

4つめは、「どうせ無理」と思い、読みの粘りが続かない「自己効力感の低下」です。

これら4つの要因のサインとして、「接続語の前後関係を取り違えている」「代名詞が指す内容を見失っている」「段落が増えると、前の情報が保持できていない」「要約させると手が止まる」等が挙げられます。これらのうち2つ以上当てはまる場合は、特にじっくりと支援をすることが効果的です。教科指導を担う先生や学習のサポートをする大人がこれらの「つまずき」のサイン、4つの要因に対して適切に学習支援をすることで子どもたちが文章を理解する力が着実に高まることでしょう。


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