261. ゲーム依存とワーキングメモリ②
前回に続き、今回のコラムでは家庭で取り組むことができる実践例をご紹介します。
基本的なスタンスとして、「やめなさい」のように「取り上げる表現」をやめて「切り替えの成功体験を積ませる表現」が考えられます。
「終わりやすい区切りはどこにする?」と問いかけ、子どもが「あと1ゲーム」と答えたら、「OK。その1ゲームが終わったらタイマーを止めて、5分休憩してから宿題3問ね。終わったら残り10分またできるようにしよう。」という交換交渉が良いでしょう。自己制御を育むことにもつながります。
ここで「5分休憩」を挟むようにしていることにも意味があります。5分から10分程度を無刺激のクールダウンの時間に充てます。深呼吸やストレッチ、やるべき課題を紙に書き出す時間として、すぐに勉強に切り替えることができなくてもこの時間を温かく見守りましょう。ゲームに集中した熱を冷ます大切な時間です。
この交換交渉の前提として、ゲームに取り組む約束事はしっかりと守るようにルールを決めておくことが重要です。最長時間、ゲームをするタイミング(お風呂の後等)について細かく約束をしましょう。また、ゲームはエンドレスではなく、細かな終了があることが多いですので、1ゲーム、1章、1周回など終了の目印で区切るのも一案です。タイマー、見える化ボードなどを使い、双方にストレスなく取り組む設計が肝です。
ゲームは強い報酬設計で作られています。子どもがやめられないのは、意志が弱いからという理由だけではなく、約束事、設計にも問題があると考え、「切り替えの成功体験」を積ませるように設計をすると良いでしょう。このような工夫をすることが、ワーキングメモリを効果的に学びに活用する第一歩になります。
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