249. 睡眠中に「記憶の準備」

富山大学の井ノ口馨教授らの研究チームが発表した研究結果によると、人が寝ている間に、脳は翌日に備えた記憶の保存場所を用意していることがわかりました。つまり、新しいことを覚えるために睡眠が重要な役割を果たしているのです。

読売新聞の記事を引用すると『研究チームによると、マウスの睡眠中に実験1日目の記憶で生じた神経細胞の活動を観察していたところ、この記憶による組み合わせとは別に、常に一定の神経細胞が活動することに気づいた。この神経細胞を継続観察すると、2日目の記憶で生じた神経細胞の組み合わせとほぼ一致した。井ノ口教授は「睡眠中に、近い未来の記憶を担う細胞集団があらかじめ割り当てられているとみられる」と話す。』と書かれています。

英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」Webサイト

睡眠により、未来の記憶に備えて細胞が準備をするというこの新しい発見は、こどもの睡眠の必要性を訴える上で説得力が格段に増します。こどもの学習面における効果だけではなく、「こころ、からだ、まなび」の発達の中心に睡眠があるというイメージと併せて継続的に伝えていきたいものです。

<引用>読売新聞朝刊・英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」


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