277. 「資料読み取り問題」を考える③_2026年大学入学共通テストから
今回は「資料読み取り問題」に必要な「目的適応」「推論」の各力について解説します。
「目的適応」とは、問いに合わせて情報を取捨選択する力のことです。「資料読み取り問題」では具体的に次の力が求められます。
・すべてを読むのではなく、問われている目的に合う情報だけを使う力
・この設問で必要な情報はどこか
・使ってはいけない情報(ノイズ)は何か
・設問の条件を正しく制約として使えているか
次に「推論力」です。「推論力」とは、与えられていないことを論理的に補う力です。
・資料に直接書いていないことを、根拠をもって導けるか
・数値の傾向から背景を推測
・図の構造から仕組みを推論
・条件が変わった場合の影響を考える
ここでは「主観の排除」をしなければなりません。つまり、「なんとなくこう思う」ではなく、「図1の〇〇という数値から、△△と言える」と、客観的な事実を橋渡しする力です。また、「仮説の設定」も回答のカギを握ります。これは、 資料から読み取った事実をもとに「なぜそうなったのか?」という背景を推測する力です。
これまで述べてきた「情報統合」「構造把握」「目的適応」「推論」の各力をもとに、最終的には言語化する力(記述表現力)が仕上げとなります。特に記述式の多い試験では、読み取った内容を「誰が読んでも納得できるように説明する」力が問われます。指定された語句を使う、あるいは字数制限の中で要点をまとめる力は、社会に出てからのプレゼンテーションや報告書作成の能力に直結します。
日頃から疑問を持って学ぶことや変化に気づく力など、習慣的に身につけることが「資料読み取り問題」への対策となるでしょう。もっと基本的な対策としては、「資料読み取り問題」で必要とされる力が脳内の「制御と処理」に関わっていることから、小学生の早期にワーキングメモリのトレーニングを徹底しておくことだと私たちは考えています。
次回は、「資料読み取り問題」がグローバルな教育の流れに沿っていることを解説します。
#教育コラム277

