275. 「資料読み取り問題」を考える①_2026年大学入学共通テストから
今年の大学入学共通テストで出題された問題から、私たちは多くのことを考えさせられました。それは、入試傾向や受験対策という観点だけでなく、学力観、教育を取り巻く環境、学び方、評価等について多くのメッセージを受け取ることができたからです。
従来は「傾向と対策」に沿って学習することで入試をある程度捉えることができましたが、もはやそれだけでは十分とはいえなくなっています。言うまでもなく、未来が「予測不能」になり、「正解は一つでないこと」「知識はすぐ古くなること」「新しい情報に常に出会うようになったこと」等から「未知の情報をどう扱うか」が重要となっています。こうした状況をもとに大学で学ぶことを希望する学生に問う力が変わってきており「傾向と対策」が効きにくい問題が出題されています。
中でも「資料読み取り問題」に私たちは注目しています。「資料読み取り問題」が増えた背景には、まず「暗記型の学力」では前述の流れに十分な対応ができないことが挙げられます。高校や大学では入学試験(問題)を通して次の力を測っています。
・授業で初めて出会う資料を理解できるか
・レポートや探究で情報を扱えるか
・社会に出てから「正解のない問い」に向き合えるか
これらを入学試験で問うことで、入学後に学生が「教えれば伸びる知性」かどうかを見極めています。
「思考力・判断力・表現力」「情報活用能力」「課題解決能力」「主体的に学ぶ力」という言葉を見聞きしたことがあるでしょう。これらは役人が掲げるお題目ではなく、これからの時代に求められる資質です。そして「資料読み取り問題」はこれらを一括して測るための効率的な形式なのです。
「資料読み取り問題」を一言でまとめると「思考の質が問われる問題」です。今後の当コラムでは、この一見曖昧な「思考力」について、「資料読み取り問題」から紐解いて解説します。
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