267.脳トレの目的

書店に行くと「脳トレ」コーナーには多くの書籍が並んでいます。問題作成者の努力に敬意を払いながら毎回数冊は購入しています。一冊に掲載されている問題数やバリエーションが豊富で、購入者としてのお得感も得られます。世代を問わず、頭の体操としての十分なトレーニングメニューが国内にはあるものだと実感します。

脳トレ問題を解くこと自体が楽しみな方も多いことでしょう。脳トレ自体が趣味という方には、どの書店に行っても整った豊富なトレーニングメニューを楽しむことがアタマの健康にとても良いことです。アタマは使うことが大切であり、神経科学の原則にある「Use it or lose it」なのです。

一方で、「筋トレ」においては筋肉の成長が目に見てわかったり、筋肉の触りごこちによりトレーニング効果を実感できるのとは異なり、「脳トレ」は効果の実感が得られにくいのではないでしょうか。「脳トレ」はあくまで脳を活性化させるためのトレーニングです。活性化させた後または活性化をさせながら何に役立てるのか、どのような目的で活性化をさせるのかがとても重要です。

学習を例にすると、「脳トレ」は助走でありアタマの活性化のひとつの手段です。その活性化したアタマを鍛えるには、そこから勉強にしっかりと取り組むことです。その効果は、学生であればテストの点数となって現れることで実感できるでしょう。

私たちが提供しているワーキングメモリトレーニング自体の効果を求められることがありますが、あくまで手段という位置づけでご提供をしています。トレーニングの後またはトレーニングをしながら勉強にしっかりと取り組んでいただくことで学業成績に活かされます。

ビジネスパーソンなど大人の方にとっては、「最近、物忘れが気になる」等の何かしらの課題感があり、その解消の一つの手段・トレーニングメニューとして弊社のサービスをご利用いただいています。その方々にとってのトレーニング効果は、助走の後にあるお仕事や日常生活で鍛えることでパフォーマンス向上として成果をご確認いただけることでしょう。

目的と手段をもって日常生活に「脳トレ」を取り入れられることをお勧めします。


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