252.8週間後も効果が続く「学習前の運動」
長期にわたり記憶の定着を図るうえで効果的な方法が紹介されています。『神戸大学ニュースサイト』から引用をします。
『「運動後に学習(運動条件)」もしくは「座位安静後に学習(安静条件)」という条件の中で、単語の記憶学習を行い、その後に単語思い出しテストを行いました。単語思い出しテストは、記憶学習の24時間後、4週間後、6週間後、8週間後、そして11ヶ月後に実施しました。
単語思い出しテストの正答数は、24時間後では運動条件と安静条件間に差がみられず、4週間後ではわずかに運動条件での正答数が多かったものの統計学的な差は認められませんでした。しかし驚いたことに、6週間後と8週間後のテストでは、運動条件の正答数が安静条件よりも多くなりました(約10%増@6週間後、約8%増@8週間後)。ただし、11ヶ月後には条件間での差は消失していました。これらの結果は、記憶学習前に中強度の運動をすると少なくとも8週間は長期記憶が強化されることを示しています。』
ポイントは次の通りです。
・運動が数日間の長期記憶を向上させるだけでなく、その効果がこれまでの予想を大きく上回って長期的に持続することが明らかとなった。
・単語を覚える前に20分間の運動をすると、安静にしていた時よりも、6週間後と8週間後に実施した単語思い出しテストの正答数が約10%多くなった。
・学習前の運動が8週間もの長期間にわたって長期記憶を向上させたこの結果は、長期記憶が必要な学習や作業の効率を高める手段として活用できる可能性がある。

こちらの実験は大学生を対象としていたとのことですが、中学生や高校生は部活動などで運動をした後に、さっと切り替えて暗記系の勉強をすることで効果が見込まれます。人はすぐに忘れてしまう生き物であることはよく知られていますが、長期的に記憶の定着を図る上では運動をうまく取り入れて効率的に学習を進めることができるでしょう。
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