250.ワーキングメモリにかかる負荷②

ワーキングメモリにかかる負荷①」の続編となる今回は、いま教育現場で多くの先生方が共通して生徒に感じている「課題外在性認知負荷」について引用をしながら解説します。

課題外在性認知負荷が下がった状態では、本丸の課題にたどりつく前につまずきます。ある時点までは、張り切って授業に参加していたのに、徐々に反応が鈍くなり、ついには授業中に机につっぷして居眠りをしてしまうというというような例です。

・先生の話に意識を集中する
・先生の声(音)を文字変換する
・教科書の××ページを開く
・××ページに書かれていることに集中する等が課題外在性認知負荷です。

さらには、以下も挙げられます。
・お腹が減ったな
・トイレに行きたくなってきたな
・教科書忘れてしまった
・消しゴム落としてしまった
・鉛筆を持ちすぎて指が痛い
・先生にあてられたらどうしよう等、挙げればきりがありません。

これらはワーキングメモリのオーバーフローが一因だと考えられます。ワーキングメモリがいっぱいになるため、本丸の課題に割く余裕がなくなるのです。
<参照・一部引用>『シン読解力』(新井紀子著 東洋経済新報社)

課題外在性認知負荷に耐えるよう、日ごろからワーキングメモリを使うことやワーキングメモリに働きかけるトレーニングが欠かせません。ちょっとした計算は暗算ですることなど、記憶と処理を同時に行う工夫を取り入れると良いでしょう。


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