138.不機嫌な人の「目的」

アドラー心理学の創始者であるアドラー氏は次の言葉を残しています。「この子が社会的なつながりを取れないこと、その結果、不機嫌であることが彼女に残された活動のほんの数少ない領域の一つだということを示しています。不機嫌であることは、彼女の母親を拒む最良の手段でもあり、だからこそ、不機嫌であることを好んでいるのです」

この子が不機嫌でいることは「母親を拒む」という「目的」を達成するための手段だと言っています。

他人が不機嫌な時、周囲の人はその「原因」を探ろうとしますが、不機嫌な人に「原因」があり、「〇〇だから、必ず××になる」といった因果関係が成立しているわけではありません。不機嫌なのは「目的」があると考える方が適しています。

では、どのような目的なのでしょうか。

それは「他人を遠ざけたい」という目的です。

私たち誰しもが「不機嫌」になることがありますが、このように「目的」を知っておくことは自己を客観的に冷静にさせる際にも役立ちます。

小学生や中学生と接する機会が多い私たちは、時に子どもが不機嫌に見えることがあります。
その「目的」を考えてアプローチをするだけでも双方に良い時間を過ごすことができるのではないかと思います。

<参照・引用>
東洋経済ON LINE「「キーボードをバンバン」職場の苛立つ人の扱い方」


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