134.まちがえて良い時間

子どもの学習において、制限時間内に正解を出すこと、そしてその正解数が多いことが学習の成果ひいては各種試験での合否に影響をします。子どもは日ごろから正答率を高めるためのトレーニングを積んでいます。

一方で、それは頭（脳）を使っているか否かを分けて考える必要があります。例えば、計算問題においては筆算を書き残すなどミスによる失点を極力減らす努力をしますが、これは「作業」をしているにすぎず、頭（脳）がフル回転している状態ではありません。

アメリカの医学者・人類学者スキャモン氏が発表した「スキャモンの発達・発育曲線」という有名な研究結果があります。

子どもの頭（脳）は成長します。しっかりと頭（脳）を使う時間は大切な時間です。しかし、「頭（脳）を使うこと」により、テストでの正解率が仮に下がるとすると、その大切な時間は削減の対象となります。

あえて「まちがえて良い時間」を日常に設けて、頭（脳）を使うことを重視したトレーニングに取り組むことをお勧めします。
因みに、その際には「まちがえて良い時間だよ」と子どもに「心理的安全性」を伝えることが重要です。この「心理的安全性」については別の機会に記しますが、「間違えて良い」という「約束」をすることで子どもはリラックスして取り組むことができます。頭（脳）を使う時間こそが大切なのです。

頭（脳）を使うトレーニングの一例として暗算をお勧めします。そろばんの世界では「読み上げ算」として確立されていますが、次のような問題を口頭で出題して、子どもに答えさせてください。

①５＋８＋１
②７＋７＋２
③８＋５＋２
④２＋９＋１
⑤４＋９＋２


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