128.興味関心をつくる

お風呂が嫌いな子どもへの接し方として興味深い事例があります。

お風呂が嫌いな子どもは、お風呂を「遊びの邪魔をするもの」と認識しているようです。つまり、お風呂に入るには、リビングや庭で遊んでいるところを中断しなければならず、面白くない作業をさせられるという認識を持つようです。

一方、お風呂が好きな子どもの認識は、リビングや庭での遊びという「遊びの文脈」が途切れずにお風呂が「遊び場のひとつ」となるため、抵抗がないというのです。

保育士さんは、お風呂に入ること自体が遊びになるよう次のように声をかけます。「お庭で土遊びをしたら、次はお風呂で水遊びをしよう」と言って、泡が立ちやすいシャンプーを選んで「泡で変身しよう(髪を泡で変形させる遊び)」などと水遊びが洗髪行動となる工夫をしているのです。

子どもの「遊びたい」という欲求を行動に変える示唆に富んだ事例です。

<参考文献>
『未顧客理解』(日経BP/ 芹澤蓮著)


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