106.「お手本をうつす」こと

『子どもが熱中する向山式漢字・言語指導法』(明治図書)には「お手本をうつすこと」ことは、すぐれた教育方法である、と書かれた箇所があります。学習の基本は「お手本をまねする」ということです。

習字でも絵でもお手本をまねします。お手本をまねするので、出来ばえは上手です。こうしたことを積み上げて、やがて、自分らしさを出していくのですが、日本にはこのような学習の場面が書写を除いてほとんどありません。

教育の現場では「お手本をまねすること」をあまり見かけなくなりましたが、子どもの世界では、マンガを描く時に「お手本をうつす」ことを通して上手になっています。「お手本をまねする」「視写する」というのは、アジア文化圏が作り上げた、優秀な教育方法と言ってよい、と書かれています。

但し、機械的に写すだけでは子どもは持続しないと思いますので、私たち教育に携わる者は、写す中にも「変化を持たせた教材作り」が大切であると考えます。

私たちが開発した冊子教材「ワーキングメモリのトレーニングシリーズ」は「書き写し」に始まり、変化を持たせた構成です。ぜひご活用ください。

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