86.テストは記憶の定着を促す

あることを正確に覚えているかどうかを調べる記憶テストは、私たちが既に学んだ内容を長期記憶から呼び出す(想起する)練習になるため、効果を持つのです。

このテスト効果はレディガーとカルピックによって報告されています。大学生を対象とした彼らの実験では、テキストを読んだ直後にテストを受けたグループとテストを受けずにテキストをもう一度読んだグループの2日後のテスト成績を比べました。

するとテスト・グループの成績が優れていたのです。一週間後のテスト成績を調べると、さらに両グループの成績差が開いていました。

彼らの結果は、学習内容を思い出そうとすることが効果的であることを示しています。つまり、私たちはテストを受けることによって学習した内容を真剣に緊張感をもって思い出そうとするわけですが、その想起努力が、ただ漫然とテキストを読み直すよりも記憶の定着に効果を持つということです。『メタ認知で<学ぶ力>を高める』(三宮真智子著 北大路書房)

学習塾などではこまめな小テストが実施されていますが、上記のことからもその有効性がご理解いただけると思います。スポーツ選手の中には試合に臨むことで練習法を見直したり調整を図っている方もいるようです。

読解力の向上を図るにあたり、長期記憶から情報を取り出すことはワーキングメモリの働きの一つであることを私たちはこれまでに様々な場面でお伝えをしてきました。学習者同士で適度な緊張感を持ってテストをし合う、というのも良い学習法となるでしょう。

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