考えるためのツール

こどもたちの学校での学びは、文部科学省が定める学習指導要領に沿って進められています。この学習指導要領の目指す姿は明文化されています。

新しい学習指導要領等が目指す姿

こちらには「これからの時代に求められる人間の在り方」としての「思考力」について以下のように書かれています。

『社会の中で自ら問いを立て、解決方法を探索して計画を実行し、問題を解決に導き新たな価値を創造していくとともに新たな問題の発見・解決につなげていくことのできる人間であること。』

こどもたちが自ら考えるためには、ある分野における背景知識、深い課題意識、問いを立てる力が必要です。もちろんこどもたちなりにいろいろと考えてはいるはずですが、教育・指導の現場において思考の深さを測定するという方向に向かってしまうと、こどもたちの思考が止まって見えるのではないでしょうか。

どのようなテーマであれ、こどもたちが興味・関心を持つことが第一歩です。そしてそのテーマに関して思考を深めることができれば、視野の広がりと共にやがてその思考方法を他の分野へも応用できるようになるでしょう。

私たちが2015年から取り組んでいるプログラミング教育を一例としてご紹介します。プログラミングは「コンピュータへの命令」ですので、順序立てて命令をしなければなりません。授業の様子を見ていると、何かしらの不具合が起こった場合、こどもたちはぼそぼそと「え?なんでだろ?」と呟きながら自ら課題解決の策を見いだそうとします。ここに講師の補助が介在するケースは希です。そして、思考のツールとして「フローチャート」等を使って考えることを教えると、スムースにそのツールを使いこなします。

以下は、弊社「プログラミング道場Gamesコース」プログラミングスキルチェックテストの例です。


このようなツールは、ツールありきで提供するのではなく、こどもが思考に入った段階で伝えるとスムースに使うようになります。思考を助けるツールには「ベン図」「座標軸」「ピラミッドチャート」など様々なものがありますが、適宜提供していくと良いでしょう。

これからも世の中の様々な課題とこどもたちは向き合っていかなければなりません。ひとりひとりが思考し、仲間との議論を通して課題の解決を図っていってほしいと願っています。