語彙は使って身につける

医学者・解剖学者の養老孟司先生は、学習の基本を以下のように図示しています。
私たちは、五感から情報を入力して、脳内で計算・処理した後、運動として出力するというサイクルです。
運動というのは話す、書くということも含まれます。


知識の多さは学力の高さである、と捉えられてきた時代が大きく変わりつつあり、
時代の変化と共に子どもの学習環境、学習カリキュラム、入学試験も「出力(アウトプット)」型のものも登場しています。

いま、子どもたちの語彙が少なくなっているといわれています。これは、SNS等の登場により、「ヤバい」で大抵の会話が成り立つように、「出力」が減っているということに一つの要因があるのではないでしょうか。

子どもたちの学習に関わる私たち大人が、子どもたちの「出力(アウトプット)」を引き出すことが重要です。

私たちは「ごいトレ」という問題集を発行しています。これは、語彙を辞書などを使って「覚えること」と「活用すること」を両立させる教材です。仮に、下の図の左にある「知識量」の問題が全問正解であったとしても、同じ語彙を語群から選んで文の中に入れるという「活用力」の問題の正答率が低いことを日々の指導の現場で実感しています。


「ごいトレ」とは別のお話ですが、「活用力」とは「ごいトレ」のような「書く活動」もあれば、「話す活動」もあります。「話す活動」とは、スピーチ、討論、プレゼンなどです。

学校教育においては、指導要領に定められていることもあり教科書を中心としてこれらの活動がバランスよく取り入れられていますが、私たち民間の教育機関や保護者の立場としてもこうした機会を設けていくことが大切だと思います。