算数の文章題が解けない子どもたち

参照:『算数文章題が解けない子どもたち』岩波書店

以下は、広島県で2020年に実施された小学生を対象とする算数文章題の問題です。

【列の並び順問題(順番)】
子どもが14人、1れつにならんでいます。ことねさんの前に7人います。
ことねさんの後ろには、何人いますか。


これは小学1年生の教科書からとった問題です。

そしてこの問題の正答率は以下の通りであったようです。
・小学3年生…28.1%
・小学4年生…53.4%
・小学5年生…72.3%


誤答のタイプとして、以下が挙げられています。
①意味を考えずに問題文の数字を使って立式する
例)式:14×7=98 答え98人 としている。

②問題文の状況のイメージを式にできない
例)〇〇〇〇〇〇●〇〇〇〇〇〇〇 として、●をことねさん、と書いており、
式:14-7=7 答え7人 としている。

③そもそも問題文をイメージできない
例)先程と同様に図で書いている箇所が問題文と合っていない

②のタイプで誤答した生徒は、小学3年生で32%、4年生で16%、5年生で6%です。
③のタイプで誤答した生徒は、小学3年生で19%、4年生で10%、5年生で12%です。
③は読解力がより深刻です。

「文章問題の内容を図にできること」や「その図に応じた式を立てること」が大切であることは
言うまでもありませんが、私たち大人がじっくりと時間をかけて子どもと向き合うこと
もっとも大切なことだと思います。