「知性」と読解力

人間が備えている知性を8つに分類したのは、ハーバード大学のガードナー教授です。
知能・知性と聞くとIQ(知能指数)を思い浮かべる方が多いと思いますが、
ガードナー教授はIQという1つの物差しだけでなく、知性・知能は「複数ある」ことを唱えました。

これをMI理論と呼び、和訳は「多重知能理論」とされています。
因みに「MI」とは「Multiple Intelligence」の頭文字です。

従来は、知能といえば主に「数学的・論理的な問題解決能力の高さ」を指しており、
この能力を高める教育カリキュラムが組まれていました。

知性・知能が多重であることを唱えたガードナー教授は、
「学習・教育の可能性を広げた」と言われています。


さて、子どもの読解力を考える際に、これら8つの知性・知能のうち、
「言語的知性」が関わることは想像に難くないかと思います。

しかし、実は「論理・数学的知性」も大きく影響をしています。

「読む文章」によって知性が異なるということです。説明文や論説系を読むときには「論理・数学的知性」が求められ、小説や物語系を読むときには「言語的知性」が求められる、ということです。

この例を参考に、日々の学習において「読解=言語」のみならず、順序立てて考えることも読解力を高める学習アプローチの一つである、という認識を持って子どもの学習環境を考えていくと良いでしょう。