読解の指導にデータの活用を

デジタル教材の普及に伴い「デジタルか紙か」をテーマにした議論がいたるところで行われています。
子どもが学ぶ教材がデジタルであれ紙であれ、それぞれに強みと弱みがあります。
特にデジタル教材については過去の事例が少ないため、懐疑的な見方が多くなるのは当然のことです。

利用者である子どもにとって、適した環境で、適した利用方法で、その時々に求められる効果が
有効であるならバランスよく、うまく利用すると良いでしょう。

デジタル教材の利点は、子どもの学習がデータ化されることにあります。
従来は先生の中にあった勘や経験といったデータに加えて、デジタル教材による客観的なデータにより、さらに子どもの学習への理解が深まることでしょう。

紙教材においても、子どもの学習効果を最大限引き出すことができる取り組みが既に世の中にはあります(例:プラス10シリーズ)ので、このような教材を利用できるスクールなどに通うのは子どもにとって有効であると考えます。

読解指導におけるデータの活用例として、私たちが「読解研(Dokkai Lab.)」という名称で提供しているWebトレーニングでは、子どもの利用履歴から以下の項目をデータで抽出することができます。


チェックの一番下にある「満点を取るまでに何回、本文と問いとを行き来したか」というデータは、
デジタル教材だからこそできる強みです。
ここにおける回数が多いことは、非効率的な読み方をしているのではないかと見ることができるため、本文を記憶しながら読み進めるトレーニングを重ねることが当該生徒に有効な指導のアプローチとなります。

「国語が苦手だ」「読解が弱い」「もっと頑張れ」「もっと本を読め」という言葉により、子どもがネガティブな感情を抱かないようにするためにも、学習者である子どもにとってより良い活用方法を提供することが私たち大人の役割ではないでしょうか。