
《習慣化#017》
息を吐き切る呼吸法
今回は最も取り組みやすい「呼吸」についてのお話です。簡単にまとめますと、ゆっくりと呼吸をして、特に息を吐く時は「吐き切る」ことを意識することで、リラックスした状態になる、というお話です。
呼吸により「副交感神経」が優位になります。「副交感神経」とは、心身を休ませるために活動を抑え、回復や修復を促進する自律神経の一部です。
私たちの心拍は、吸うと少し速く、吐くと少しゆっくりになります。これは「呼吸性不整脈(RSA)」という正常なゆらぎで、吐く局面で副交感神経(迷走神経)優位に傾く現象です。

この仕組みを生かし、息を吐き切ることを意識すると、心拍のゆらぎ(HRV)が高まり、落ち着きやすい「休む・消化する」モードへ移りやすくなります。
さらに、ゆっくりした呼吸(目安:1分に約6回=10秒/1呼吸)は、血圧の反射機構(バロリフレックス)と心拍のリズムをそろえ、迷走神経のはたらき(副交感)を強めることが示されています。
「吐く時間を少し長め」にする工夫は、迷走神経への入力を高め、リラックス方向の自己フィードバックとして働くというモデルも提案されています。
実験的にも、深くゆっくり(とくに吐く比率をやや長く)呼吸すると、高齢者を含めてHRVの副交感成分が増え、不安が低下したというレポートがあります。まずは呼吸の速度を落とすことからはじめ、余裕があれば吐く時間を少し長めにしましょう。
60〜90秒でできる呼吸法を記します。
- 鼻で吸う(3〜4秒)
肩を上げず、下腹〜肋骨がふくらむ感覚を確かめましょう。 - 口をすぼめて吐く(6〜8秒)
ロウソクを消さない程度の弱い風で、最後まで細く長くと良いでしょう。 - 息を止める(1秒)
吐き切った後の静かな間で“重心が下がる”感覚を味わいます。
これらを3セット行い、慣れてきたら、1分間に6呼吸前後を目安に取り組みましょう。
継続的に取り組むには「意識」が欠かせません。何かの行動と併せて意識的に取り組みましょう。例えば、メールを送信した後、会議の直前、就寝前など、無理のないタイミングで取り組むことをお勧めします。

まずは、この記事を読みながら「吐き切ること」をためしてください。静かな吐息が、心と体のブレーキをやさしく効かせてくれます。
《参照》
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14769752/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35167847
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6189422/?utm_source=chatgpt.com



