《習慣化#012》

ながら脳トレ30
普段歩かない道を歩きながら街を観察する

外を数分歩くだけでも、私たちは街の景色や行き交う車、人、看板、店舗や住宅など、さまざまな情報を受け取って処理しています。しかし、いつも同じ環境で働き、似たようなパターンの中で生活していると、ごく限られた風景や情報にしか触れられないことになります。

やる気をもたらす重要な働きをするドーパミンという神経伝達物質は、新しい物事に触れたときに分泌される傾向があります。見慣れた風景ばかりで変化のない日常を送っていては、前頭連合野への刺激も少なくなり、徐々にやる気も下がってしまいがちです。

オフィスの外に出る機会の多い営業職でも、「毎回必ずこの道を通る」と決めている、または効率化のためにA社→B社→C社などと営業のルートを決めている人は、次の道を曲がったらどんな景色が広がっているか、予想がつくようになります。歩いている間に見るもの、考えることが固定化されていきます。

すると、ワーキングメモリをわざわざ働かせる必要はなくなります。スポーツジムのトレッドミルでウォーキングをするよりも、自然環境の中で歩くことのほうが、ワーキングメモリを働かせるためにはずっと効果があると考えられています。スポーツジムだと、目の前の景色がずっと変わらないからです。

であるならば一本、道を変えてみて外を歩きながら、街を観察したり、顧客回りをしたりするだけでも、ワーキングメモリは働きやすくなります。時にはルーティーンをやめて、いつもとは違う道を歩いてみたり、顧客を回る順番を日によって変えてみたりしてみたらいいと思います。

普段なら歩かない道をあえて歩いてみると、意外なものを見かけたり、新しい情報を得たりして、驚くこともあります。また、その経験が新しいアイデアに結びつく、といったこともあるはずです。

新しい情報に触れることで「この景色、どことなくあの街に似ているな」と感じるなど、普段は使わない記憶を取り出すきっかけになります。また普段ならなかなか見かけないものを見つけて興味を持ち、「あれは何だろう」「どんな仕組みなっているのだろう」などと、いつもとは異なる思考が始まることもあります。

休日に、いつもと違うシチュエーションに意識して足を運ぶようにすることで、ワーキングメモリが働きやすい状態をつくることも効果的です。

コロナ禍以降アウトドアを楽しむ人も増えていますが、海や山に囲まれた自然の中で思い切り遊ぶことも、脳に良い影響を与えます。都会に比べて自然は予想外のことが起こりやすく、同じ場所でも時間を変えると異なるものが見えるなど、情報に奥行きがあります。それが前頭連合野に対して良い刺激を与えるのです。

週末は家でゴロゴロ過ごしがち、という人ほど、思い切っていつもは行かないアウトドアに繰り出してみると変化を感じることができ、すっきりとした状態で週明けの仕事を迎えられるはずです。