《習慣化#007》

座りっぱなしの脳を救う「立つだけ習慣」の科学

会議、作業、研修動画の視聴などが続き、気づけば何時間も座りっぱなし。こうした現代の仕事環境下では、体が固まるだけでなく、脳のキレも落ちていきます。身体(カラダ)と脳(アタマ)へのはたらきかけとしてはシンプルに「こまめに立つ」ことが効果的です。仕事中に激しい運動に取り組むことは現実的ではないため、1~2分間程度の立位と軽い重心移動が血流・姿勢・呼吸を整え、頭の“もや”を払います。スクワットなどの自重運動が効果的です。

座位が長引くと、下半身の筋ポンプ(筋肉が収縮・弛緩を繰り返すことで血管に圧力をかけ,末梢血管の静脈血を心臓に戻す働き)が働きにくくなり、心拍と呼吸が浅くなりがちです。脳への酸素・栄養供給の効率も落ち、注意力が散漫になりがちです。ここで立位に切り替え、足首と膝の曲げ伸ばし、つま先立ち10回、肩回し5回、胸を開いて深呼吸3回。これだけで姿勢筋が再起動し、スクリーンに向ける視線も安定します。

おすすめは「30-2ルール」です。これは「座って30分ごとに2分間立つこと」です。タイマーやカレンダーに「立つ時間」を記録することや、ミーティングの合間は必ず立って要点整理をするなど工夫をすると良いでしょう。また、電話は立って受けるなど、仕事のシーンに応じて身体を動かすよう意識づけすることで継続的な習慣にしていきましょう。オンライン会議が多いお仕事の方は、立ったまま会議に参加するのも良いでしょう。

身体を動かすことと並行して脳(アタマ)にも少しの負荷をかけてみましょう。例えば、立ち上がって席を離れる直前に今やっているタスクを7秒間で要約してつぶやくことや、次に取り組むタスクを3つつぶやくといった行動により、タスク再開の速度が上がります。

「立つだけ」で十分か?という心配もあるかもしれませんが、まずはこれで十分です。大事なのは、頻度と一貫性です。1時間に一度の長い運動より、小さな立位を何度も行うことです。チームで取り組める仕事環境であれば、「全員スタンドアップ!」の掛け声で、立位で進行する5分会議を1日に1回入れるというのも面白いでしょう。

まずは明日、午前中に1回、昼食後に1回、夕方に1回の計6回の「立つだけ習慣」に取り組むことから始めてみましょう。姿勢と気分、そして思考の切り替えにつながります。座りっぱなしの一日を「立って」断つことができます。