《習慣化#021》
ルールは3つまで

-認知的負荷を減らすと継続する-

習慣が続かない理由の多くは「意志が弱いから」ではありません。「頭の作業台」に当たる脳の実行機能が、やるべき手順や選択肢の多さで渋滞してしまうからです。

心理学では、処理する情報が増えるほど思考や判断に使える資源が減ることを認知的負荷と呼びます。また、選択肢が多すぎると決められなくなり、満足度も下がることは選択過多(choice overload)として知られています。つまり、習慣化を図るためにはルールを減らさなければならないのです。

そこで、私たちは「ルールを3つに絞ること」を皆さまにご提案します。

3つに絞ることで、まず行動前に必要となる準備思考が軽くなります。脳の実行機能は「覚える・選ぶ・切り替える」を担いますが、条件や例外が増えるほど切り替えに労力がかかり、途中で中断されると戻りづらくなります。しかし、3つなら頭の中で同時に保持しやすく、再開も容易です。

朝の運動を例にすると「起きたら水を飲む・肩を回す・その場で30秒足踏みをする」、勉強であれば「机に座ったらやることを3つ書く・タイマーを15分間に設定する・各課題が終わったらふり返りを1行にまとめる」などが挙げられます。どれも覚えやすく、途中で中断しても手順のどこに戻ればよいかがすぐにわかります。

大事なのは3つの中身を行動しやすい順番に並べることです。最初は10秒で始められる動き、次にリズムを保つための小さな枠、最後に仕上げ、といったイメージです。これにより着手、継続、定着の流れが自然にでき、実行機能の消耗が最小化されます。

もし続かない日が出てきたら、ルールを変える前に、より簡易的な行動に切り替えることをお勧めします。例えば、肩回しがきつい日は深呼吸に変えること、15分が重たい日は3分にすること、ふり返りが面倒な日はチェック印をつけることなど、内容を削るのではなく、強度を下げて3つを守ることが、習慣化を壊さないコツです。

さらに、3つのルールは「可視化」すると強くなります。紙に書いて見える場所に貼る、スマホの待受にする、家族や同僚に共有するなど、視覚の合図は認知的負荷を減らし、習慣化につながりやすくなります。

以上の工夫を踏まえて、皆様には身体や脳(アタマ)を使う習慣を身につけていただき、心身共に健康なウェルネスを目指しましょう。