『国語教師のための語彙指導入門』(鈴木一史著 明治図書)は、子どもたちの語彙力をデータに基づいて定量的に分析がされています。

第一章の「言葉と語彙」には、小学校1年生から高校1年生のすべての科目の教科書を調査した結果が書かれています。
教科書に出てくる言葉を「異なり語数」で調べたようです。
(「異なり語数」とは、同じ単語を除いた「ことばの種類」のことです)

調査の結果、国語は2万2,000語でした。
因みに数学は4,200語です。

ここまで読み進められた方にとりまして、この「語数」と「語数の差」に大きな驚きはないかと思います。

しかし、「国語の語数を上回る科目が存在している」となると驚かれるのではないでしょうか。
どの科目だと思われますか?

実は、「社会科」との調査結果が出ており、その語数は2万6,000語にも及びます。
なるほど確かに、地理や歴史などで見られる特有の名詞が多い点から考えると想像に難くないのですが、
それにしてもこの語数の多さには驚きました。

同書には、言葉の観点から「社会科」にはこの他にも(意外な)調査結果が記されていますが、
そちらにつきましては、また別の機会にご紹介をさせていただきます。