語彙学習の2つの方法②

『シリーズ国語授業づくり語彙』(監修:日本国語教育学会)に、
「語彙学習の方法論」として語彙学習の二つの方法が紹介されています。

「取り立て指導」と「取り上げ指導」です。

「取り立て指導」は、前回のコラムで取り上げさせていただきましたので、
そちらをご参照ください。

本日は、「取り上げ指導」について引用をします。

「取り上げ指導」は、読んだり書いたりする学習をしている最中に、
必要な単語を取り上げて(取り出して)、語彙としての特徴を考えさせる方法です。

「取り上げ指導」では、取り上げた単語の理解が深まるのと同時に、
それによって作品の読みも同時に深まります。

「スーホの白い馬」に出てくる「はねおきる」という言葉を例にした指導のケースでは、
・「はねおきました」の部分を「おきました」と変えた文を用意し、
もとの文と比較させて複合語への興味を持たせる
・「はねおきる」を使った短文づくり等を通して「はねる」と「はねおきる」との意味の違いを理解する
・身の回りの複合語について考える
・「起きた」のではなく、「跳ね起きて」かけていった時のスーホの様子を想像させる

読んでいるまさにその場面で、必要な単語を取り上げて指導することが効果的である、とあります。
そこでの気づきが読みの深まりに生かされます。

前回、今回のコラムでは「語彙学習の方法論」についてご紹介をさせていただきました。
学校や塾などの教育現場はもちろんのこと、ご家庭でもぜひご参考になさってください。