「思考のレベル」を評価する時代へ

『受験と進学の新常識』(おおたとしまさ著, 新潮新書)には、「世界標準の思考力」として、
首都圏中学模試センターが公開している「思考コード」が紹介されています。

知識や思考力という概念に枠組みを与える試みとして海外(特に欧米)では、
B.S.ブルームらが開発した「教育目標分類学(通称ブルームタキソノミー)」に基づき、
教育到達目標が設定されています。

先にご紹介した「思考コード」はこの概念を取り入れ、
日本においても体系的に思考力を育てる取り組みが始まっています。

首都圏模試センターwebサイトより

「ザビエル」を例に、A1の枠にある「ザビエルを知っているか」に始まり、Aの列を上に進むにつれて
知識・理解の深まりを見ています。

B列の問いでは、Aでの知識がより応用され、B3へと上に進むにつれて論理的に説明させるところまでが求められています。

C列の問いでは、上に進むにつれてより創造的な思考力が問われる問題となっています。


こうした「思考のレベル」が評価されるようになっており、
大学入試改革も「思考コード」に対応していると言えます。

「偏差値」のみならず、「思考コード」で子どもの学力を見る時代に既に突入しています。

OECD(経済協力開発機構)が実施するテストPISA2021においてもアッと驚く出題がされる予定です。

子どもたちにはこうした流れを踏まえたうえで、私たち大人が学習環境を再設計することも
求められます。