何やら小難しそうなタイトルですが、人の知能はふたつに分けられている、というお話です。

(『マンガでわかる脳と心の科学』池田書店)には、以下のようにわかりやすくまとめられています。

『「流動性知能」とは、計算力や暗記力、集中力、IQ(知能指数)など、いわゆる受験テクニックに反映されるような知能のことです。
一方、「結晶性知能」とは、知識や知恵、判断力、応用力などのことです。経験と共に蓄積されていく知能のことをいいます。』

一般的に「流動性知能」は18歳~25歳頃を頂点に徐々に落ちていき、「結晶性知能」は年齢を重ねるほど伸びていくと言われています。
加齢と共に衰えることばかりではなく、トレーニングをすることで伸ばしていくことができます。
因みに、語彙力のピークは67歳!という調査結果もあるようです。

子どもたちに求められる公教育の学力観として 「思考力・表現力・判断力」が掲げられていますが、
ここでいう「結晶性知能」とも言い換えることができます。

実は、ワーキングメモリの働きの一つである「更新」は、「流動性知能」や「結晶性知能」と強い関係があります。

子どもたちには、机上の学習のみならず、
読書等を通した疑似体験も含めて「経験の場」を多く持つことで、それが「結晶性知能」にも関わるということや、
ワーキングメモリに働きかけるトレーニングを継続することが両知能に影響することも知っていただければと思います。