背景知識は、他の人が話していることや書いたことを理解するための助けになります。

知り合いの人からメールで「あなたの娘さんが”イェグ”と付き合っているみたい」と言われても、
”イェグ”という言葉が長期記憶になければ話が理解できません。(”イェグ”=強盗)

文章の書き手は、事実の細部をすべて盛り込むことはできません。
(極端に長く、つまらない内容になります)
よって、文章にはどうしても”欠落部”が含まれます。

文章の書き手は、読み手がその”欠落部”を埋める知識を備えていることを前提としています。
書き手が前提とする知識と読み手のそれに差があると、読み手は文を理解できないでしょう。

書き手の立場から「読解」に必要なことを考えることで、あらためて子どもたちに必要な働きかけが見えてきます。

今回のコラムでは、子どもたちが「言葉」や「概念」の知識を豊富に持つことが読解の前提となるということを
あらためてお伝えさせていただきました。

参考文献『教師の勝算』(東洋館出版社 Daniel T. Willingham著)